#LaCourse by Tour de France
Stage1 – 11th / +3’12”
ワールドツアーで11位。
トップ10にはひとつ届かなかったけど、今シーズン初めて「よくできました💮」と自分を褒めてあげられるレースができました。
そして、また自分自身の可能性を感じることが出来て、
ハードルがまた上がってしまいました。
昨年までは、男子のツールドフランス最終日に
シャンゼリゼで開催されていたこのレース。
今年は、距離は65kmと短くも30km上り続けるという
クライマーのためのレースと様変わりしました。
さらに、このステージで ”トップ20” もしくは ”トップから5分以内” で
ゴールできた選手のみが、土曜の男子ツールのITTステージと併催される
2nd ステージに駒を進めることができるという
初の試みでした。
そして、今回のレースは、FDJが冠スポンサーという私たちのチーム、
フランス人ライダーにとっては本当にスペシャルなイベント。
全日本、ジロ、そしてこの La Course をひとつのタームとして
ピークを持ってこようと考えていました。
そしてレースが行われる場所は、スタート地点で約1000m、
ゴールが約2300mということで、高地順応が必要だと思われたので、
個人でチームよりも2日早く現地に入り、コース試走と順応をしました。
チームと合流するまでは、コーチとコース試走をしていたのですが、
個人的にチームより早く現地に入っている選手は他にもいました。
またコースのラスト10km地点には、レースの3日前から
次々とキャンパーが場所取りをして、フェンスが立てられ、
これぞ世界最大のスポーツイベント、ツールドフランス!
と感じさせられました。
何よりここで走れる喜びを感じ、絶対にトップ20残って
土曜のマルセイユに行くぞ!と弱気ながら思って試走をしました。
そしてレース当日。
まさかの朝からスタート地点は、土砂降り。
しかし!なんとスタート1時間前には
今までの雨が嘘のような晴天に!
会場は、やはりツールとだけあって
アルデンヌクラシックの時のような盛り上がり。
スタート前のプレゼンテーションのステージも大きく、
オーロラビジョンまであって。しかもFDJが冠スポンサーとだけあって
会場に着いてからは、ずーっとカメラがチームを撮影していて、
まさにスペシャルなレースなんだなと実感しました。
FDJのボス(女性です)も
チームカーのところまで挨拶に来てくださったりしました。
そんなレース前の雰囲気をすごく楽しめている自分がいて、
日本のフォトグラファーの皆さんといっぱい話せて、写真も撮ってもらって、
とてもリラックスしてスタートできました。
上りに入るまでは、まあまあハイスピードな下りなので、
ニュートラルスタートの間にできるだけ前に上がって。
そこからリアルスタート。
距離が短いのと、5分以内でのゴールが2nd ステージへ条件なので
上りが得意ではないチームと選手が
スタート直後からアタックを掛け合います。
私は、焦らずそれが見える位置で、待機して。
序盤からプロトンは、まとまることなく
ビヨーンと伸びた状態が続きます。
中切れが起こらないような位置に入れたので
ここでは脚を使うことなく上手く立ち回れました。
スタート20kmで突入する細いクネクネの道に向けて
激しい位置どりがあって、そこではバッドポジションで
後ろに追いやられてしまったのですが、
焦らず、脚を使わずに、少しずつ前に上がって、
そこでできた逃げもすぐに吸収され、
また下りで一列棒状に伸ばされても落ち着いて。
そして、やっと逃げを容認して、集団は落ち着いたものの、
上りに入り、まあまあのスピードでテンポで進んでいきました。
あと30km。
逃げとのタイム差を1分以上開けることなく、
ボーエルドルマンスがコントロールしていました。
そこで初めて、
周りの息遣いと、自分の脚の調子を見比べて、
あ、もしかしたら今日はいけるかも。
と感じました。
そこからは、とにかく丁寧に。
中切れとクラッシュに巻き込まれないような
位置どりを心がけて。
耐えれるところまで耐えるゾ!と言い聞かせる。
まだ大丈夫、まだいける!と唱える。
そんなことをしながらボーエルのコントロールに必死に食らいつきました。
そして、逃げも全て吸収され、
集団が一つになった頃には、結構セレクションがかけられていたようで
ラスト10kmを切って一度ちぎれたところで初めて後ろを振り返った時には、
まさかのトップ10に残っていました。
(いつもは後ろを振り返るんですが、この日はなんとなく精神衛生上、振り返りませんでした)
はい。自分でも驚きました。
さらに、ここでちぎれる訳には行かない!!
と思って、もう一度プロトンに追いついたところで、また耐えて耐えて。
アタックを仕掛けようとしたボーエルのリジーにちょっと反応したら、
さらに脚が終わってしまい、
ラスト6kmあたりで2回目のドロップで、
もう先頭に戻ることはできませんでした。
そこからは、1人旅。
ここから絶対この順位を落とさないように、あわよくば、
更に前でドロップした選手をキャッチできるようにテンポで追います。
結局、前にも後ろにもドロップした選手がいて、
まずは後ろのドロップした選手に追いつかれ、
ラスト3kmで3人のパックになり、ペースを落とさないように、
後ろに追いつかれないように、前をキャッチできるように、と
テンポでゴールまで向かいました。
ラスト3kmでは、集団はどこも崩壊して、
私の3人パックの前を走るWM3のカシアは、
こっそりチームカーにペーサーしてもらっていたのは、ここだけの話です。
結局、前を走るカシアには追いつけず、
ラスト300mで同じパックの選手がアタックして、
追いかけたものの脚が終わっていて、
11位でフィニッシュ。
何か特別なことをして、いきなり強くなったとかではなく、
やっとイメージ通りの自分のパワーを出せて、
やっとイメージ通りの自分の走りが出来て、
やっと上手くレースに臨めたなぁ、
というのが正直な感想です。
心底、ホッとして、
心底、まだまだ出来るやん!と自分でハードルをあげました。
そして、やっとこんな走りができたのは、
他でもない暑い?熱い!コーチのおかげと
一緒にレースを走ってきたチームメイトのおかげです。
本当にありがとうございます。
チームにとって、スペシャルなレースで
こんな走りが出来たことも、嬉しい限りです。
さてさて、土曜日には 2nd ステージが
マルセイユで行われます!
レース形式はITTですが、ハンマーレースのように
今日のレースのゴール順、付いたタイム差でスタートする
なんとも風変わりな、初めての試みのレースです。
普通のレースと違うので、走り方がよくわからないですが、
とにかくいつも通りベストを尽くします!
日本から応援してくださった皆様
本当にありがとうございます!
全てを力に変えて
與那嶺恵理は進みます!!