8日目。
イタリアはとても蒸し暑い。
ホテルにクーラーがなく、
2日連続、寝不足が続く。
夜は蚊との格闘だ。
そして、2日連続お腹を下している。
重曹でボトルを洗っているようなので、
それが合わないようだ。
コンディションは底の状態が続く。
私も身体に何が起こっているのかよくわからない、
人生史上一番過酷な1週間。
毎日、体感として今までのどんなレースよりも
きついレースを6日間も続けたら、
身体はこうなるのかということも経験のひとつ。
そして、今日は山岳タイムトライアル。
こんな身体でどれくらいパワーが出るのだろうか?
というより、どれくらいパワーが出ないのだろうか?
と今日も新しい挑戦が続く。
コースは上りのタイムトライアルであることは事前に知っていたが、
マップ上、そんなに斜度がないように書かれていたので
前日にタイムトライアルバイクを準備。
レース前にフルコースを絶対に試走をしておいてくださいという
武井コーチからの指示があったので
早めにスタート地点に着き、
コースを試走。
スタートから4kmは平坦だが
途中に下りを少し挟みながら6kmほど上り、
あと10kmはひたすらダウンヒルという
なかなか・・・なコースだ。
上りはDHバーを握ったまま上れるような緩やかな斜度ではなく、
普通にクライミングコース。
また下りは、直線部分がほぼない
非常にテクニカルなダウンヒルだ。
試走の段階でタイムトライアルバイクよりも
ロードバイクを使った方が良さそうな感触。
試走を終え、コーチと連絡をとり、
バイクのセッティングを決める。
Swiftタイムトライアルバイクをせっかく準備してもらったのだが、急きょ変更。
YONEXロードバイクにDHバーを付け、
ディスクホイールをつけたバイクで行くことに決めた。
他の選手は、一番多かったのは
ノーマルバイクを使っていた選手。
選手によって、
タイムトライアルバイクにノーマルホイールや
ロードバイクにDHバー
というように様々なセッティングが見られた。
レースは、ハプニングが続く。
スタート地点とゴール地点が約10km離れているにも関わらず、
なぜか先にスタートしたチームメイトのフォローカーの上に
私のロードバイクが積まれており
スタート15分前までレースバイクがスタート地点に届かないという
「まさか」の状況。
とりあえずギリギリまでスペアバイクでアップ。
そして、帰ってきたチームカーからレースで使うバイクを降ろし、
DHバーをつけて、ホイールを交換して、
最後にボトルゲージを外せたのが
スタート1分前。
かなり慌てたが、
日本から来てくださったメカニック東さんが
焦らず、的確に作業をしてくださり
安心して、落ち着いてスタート。
難しいダウンヒルと今のコンディションで
何もプレッシャーはなかった。
とにかく、下りではクラッシュしないで
今日も無事に全力を出し切ってゴールすることで
また明日につなげることができる。
走り出すと平坦も、登りも
自分が思っていたよりもパワー数値は悪くない。
体重の五倍 250w以上 で維持が出来る。
ただバイクが進んでいる感じがしない。
上りに入るととにかく気持ちを切らさないで
ペダルを踏むだけを考えながら
ただただ耐える。
しかし、本当に進まない。
ねっとり重い感じがする。
どれだけタイム差ついたとしても
今できることはベストを尽くして
全力で走ること。それ以上でもそれ以下でもない。
ここまで来ると、どれだけトップとタイム差がつくか、
順位を大きく落とすのではないか、
というような恐れよりも
毎日、私はここまで出来るのか。
挑戦を楽しめている。
そして下りに入ると
DHバーを握れるような直線的な下りはなく、
とにかく私としてはとても難しい
コーナリングが連続する下りが続く。
とにかく、クラッシュをすれば全てが終わるので
安全なラインと自分の限界を超えないスピードで丁寧に下る。
ラスト3kmあたりからのDHバーを握ったまま下れるところは、
とにかく躊躇せずにアウタートップで出し切った。
結果は
+3m42s
私が普段戦っているUSAサーキットで
目標としている選手たちが
ここ、ジロローザで活躍している。
私のコンディションは今は底の状態だ。
お話にならないけど、
今日も現実を受け止めて、
心からここで走れていることに
感謝して、ゆっくり休んで明日に備えます!
今日はクーラーがあるので
熟睡できそうです。
To be continued!!
イタリア UCI ワールドツアー ジロ・ローザ 第7ステージ
個人ITT山岳ステージ 22km
ステージ 42位ゴール +3:42
総合GC 26位 +37:43