Tour of Yorkshire


Photo : KeiTsuji

イギリスは Tour of Yorkshire を走ってきました。

まずは結果から、43位 +07’45。
今日はスタートして約60km地点にある最初の上りの時点で、レースの展開が終わってしまいました。

事前のミーティングで今日のレースは、
“おそらく” バンチスプリント(集団スプリント)になるだろう、という予想で
スプリンターであるフランス人のロキシー(Roxane FOURNIER、チームにRoxyが2人います) を
この上りでテイクケアして、集団に戻すというのが今日のミッションでした。

しかし、しかしです。
去年とはコースが違って、ピュアスプリンター向けのコースではなくて
さほど道は狭くないものの、
いわゆるクラシックレースのような、常にアップダウンが繰り返されるコースでした。
(更に前日の試走したコースが間違っていて、コースを全く把握できてなかったのです)


Photo : KeiTsuji

そう。
最初の上りでピュアスプリンターのテイクケアを優先するよりも、
上れる選手が率先して残って、結果的に残れた選手でチームとして動き、
例えばシャラかオランダのロキシーで狙った方が良いコースで、
またはスプリンターが最後まで残れたら、スプリンターで狙うために
チームでフォローするべきだったのです。
そもそも事前に試走してれば、ピュアスプリンター向けのコースではない
と容易に想像がつくことでした。

試走ができなかったので、レース前日のミーティングでも
「バンチスプリントになるコースなのか?」とマネージャーに
何度も確認しました。
そして、何度も何度もバンチスプリントになるからロキシー(フランス)を、
シャラとロキシー(オランダ)以外の選手で守れと。


Photo : Miwa Iijima

レースが動き出すのは、60km地点のこの最初の上りです。
上り口も私は15番手くらいで、チーム全員で前方で突入でき、
良いポジションで上り始めたものの、すぐに前のペースにフランス人のロキシーが
付いて行けなくなりなりました。
こうして、コースによって自然とセレクションがかけられます。
私はアルデンヌから調子が上がっていて、同じような斜度と距離の上りを
先頭集団でこなしていたので、こういう上りでは自然とセレクションがかけられること、
キツいけど普通に残れることもわかっていたので、
とても、もどかしくてもどかしくて、ヒモでくくって引っ張ってあげたいくらいでした。


Photo : Miwa Iijima

この時点で、前に残れなかったら
レースの展開は終わってしまうのです。
脚のある選手しか前に残れず、後ろは脚のない選手しか残らないので。

わかっていても、今日の仕事は、
この上りでロキシー (フランス人) を待って集団復帰させること。
一緒に上って待つというチョイスが未だに正解だったかどうかわかりません。

もちろんチームオーダーに対しての動きとしては100%正解でした。

上りのピークまでロキシーと一緒に上り、
(もうこの時点で1分以上遅れて)
その後からロキシーを前に戻すために全力でローテーションして。
これがチームオーダーでしたから。

Photo : Miwa Iijima

そう、そして
踏めども踏めども、追いつかず。
THE END。

当たり前です。
前は、エスケープグループではなく、
上りで残れる選手達のプロトン。
後ろのプロトンを待つ必要もないですし、
前ではレースがこれから始まるという選手達しかいません。

後ろは、千切れた選手達ばっかり。
前に追いつくために仕事するのは、
ピュアスプリンターを後ろ残してしまったチームだけ。
実質2チーム、5人くらいで仕事して追いました。

無意味な仕事と無意味な待ちだった訳です。
あそこで待つというのは、
ただ一緒に千切れただけだったからです。

私はただ言われた仕事をして、
一緒に千切れて、チームメイトを戻せずに、
一緒にグルペットでゴールしただけ。

本当に、本当に、フラストレーションが溜まったレースでした。

これは、きちんとチームメイトに
なんで私がフラストレーション溜まったのか、
を伝えました。

もちろん、私が仕事して、
前に追いつけなかったことにも
自分自身の力不足にフラストレーションが溜まりましたし、
それもきちんとロキシーに謝りました。

そう、レースは「前待ち」が鉄則なんです。
(※男子のプロレースとは、レース展開やチームワークの仕方が全く異なります)
レースの終盤ではなく、序盤や中盤で、
コースがハードなことによって集団がセパレートされた時や、
セレクションがかかった時に
残れなかったチームメイトを待つというのは、
結果としていわゆる共倒れしてしまうことがほとんどです。
今回が実際そうだったように。

もちろん、私はチームのエースではなく、アシストです。
もちろん、全力で仕事します。

しかし、今回は完全にレースを読み違えてましたし、
自分自身にも、チームにもオプションがなかったのです。
なぜなら、これはレース。
何が起こるかわかりません。

チームオーダー以外のオプションを自分の中で
準備していなければならなかったことに、すごく反省しています。

ただ、私は今たくさん失敗していい1年で
たくさん学ぶ1年です。
まずは、チームオーダーとして言われたこと、
エース、ベテラン選手が教えてくれることを
全て言われた通りにやってみて、
やった後にこれは良い、これは自分は良くないと思うなど、
ディスカッションやフィードバックを自分の言葉で出来るようにすることも
今年1年かけてしなければいけないことだと強く感じています。

アシストだから、エースの言うことは100%、チームオーダーは100%、
ではないのです。
こういうアシストが私は出来る、
ここで、こうやって、アシストした方が良い、
と自分の意見を言っていいのです。

今回はとにかくフラストレーションが溜まったことを伝えました。
共倒れする必要はなかったと思う、と。

おかしいと思ったら、おかしいと言うこと、
自分が思うことを主張すること、を
もっともっと貪欲にしないといけないと強く感じるレースでした。
そして、レースを走ってるのは
マネージャーではなく、私たち6人のライダーです。
全員が、ただ言われたことをやるだけじゃなくて、もっとチームのベスト、
つまり結果を出すことをレース中に考えながら走らなければいけないと学びました。

そして、私が思うこと、私のフラストレーションを
チームメイトが排除するのではなく、
きちんと聞いてくれました。

思ったことを言うこと、感情表現することは、
悪いことではなく、
言わずに貯めて引きづることの方が、
良くないことだとつくづく思います。
そして、あの時ああだった、こうだったは
もう言わない。

だから、今回は上手くいかなかったですが、
次のレースに向けて、もう切り替えることができています。
いつでも、チームメイトが私を使ってくれるように
いつでも、エースを助けられるように
常に、エリは走れるし、エリは仕事できるし、
と使ってもらえるように
準備しておこうと思えました。

そして、言われた仕事以上のことができるようになってやろうと。

さて、これでやっと予定外だった
Tour de Yorkshire も終わり、1学期が終わった!と言う感じです。

さあ、2学期は全日本選手権とジロに向けて、
ステージレースをこなしながら、波に乗せて行きます!!

Photo : KeiTsuji

全てを力に変えて、
與那嶺恵理は進みます!!

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